毎日の家事の中でも、時間がかかる食器洗い。ついついシンクにためてしまうと、次に洗うときには、さらにストレスも倍増します。
「食洗機を導入するまでもないが、食器洗いは好きではない」という人が大半なのではないでしょうか。2015年にパナソニック株式会社が行った調査によると、9割近くの人が「食器洗いを面倒に感じている」と答えています。
この調査は、20代~50代の女性を対象にした調査ではあるのですが、日頃から家事を行っている人でさえ面倒に感じている食器洗い。一人暮らしでも、少しでもストレスを減らして行いたいものですね。
食器洗いで感じているストレス。水切り方法を変えるだけで、減るかも知れません。
私の場合のお話で恐縮ですが、色々な水切り方法を試してみた結果、100均でも買えるプラスチックの水切りトレーが最強でした。途中、少し長くなりますが、どのような経緯で水切りトレーにたどり着いたかを、ご紹介させていただきます。
比較したタイプは4種類。
- カゴと受け皿のスタンダードタイプ
- シンクに引っかけるタイプ
- なし(水切りマット)
- 水切りトレータイプ
調理中、食器洗い中に想定される、各種ストレスの種類の対策をご紹介しながら、それぞれの種類の水切りカゴについて、メリットデメリット、ライフスタイルに合わせた水切りカゴの選び方のポイントをご紹介します。
ストレスにつながるデメリットを上手に見極めて、あなたのベスト水切り方法を探してみましょう。
水切りかごの4つのストレス
食器洗いの手順は、洗う→すすぐ→水を切る→乾かすor拭く、です。この手順は食洗機を購入しなければ減らすことはできません。ストレス軽減のポイントとなるのは、各ステップにおける水切りカゴの存在と役割です。
まずは、実際に使うときにどんなストレスがあるのかを確認しておきましょう。ストレスには大きく分けると、4つの問題があります。
- スペース
- 容量
- 衛生面
- 水切り具合
スペースのストレス
シンクに引っかけるタイプ以外、水切りかごを置く場所は、基本的には調理スペースになります。
賃貸物件では、調理スペースに余裕があるところは少ないですよね。特に、自炊をする人にとっては、このスペースが狭くなるのもかなりストレスがたまってきます。
シンクに引っかけるタイプは、調理スペースは広く使えますが、食器洗いの時にシンクが狭くなるという欠点があります。
賃貸では、注文住宅のような広いシンクの物件は少なく、大きめの鍋を洗うスペースの確保も難しくなるので、できるだけシンクは広く使いたいですね。
調理中や食器洗い中には非常に大事になる、置くスペースの問題。一度、自分の動きを確認してみると、どこにストレスがかかっていたのが発見にもなるのでおすすめです。
容量のストレス
これは、食器の容量が増えれば増えるほど、大きくなっていきます。
1~3人程度の人数であれば、皿の数はそこまで多くはないかもしれませんが、自炊する場合は、結局、鍋やフライパンなどの調理で使うアイテムも洗うことになるので、ある程度の容量は確保しておいた方が無難です。
深さのある水切りかごの場合は、重ねても大丈夫ですが、水切りトレーの場合は、食器類を重ねると雪崩がおきてしまう場合もあるので、気をつけましょう。
普段の食器洗い1回分の量を把握しておくことも重要です。
衛生面のストレス
水切りかごに関するのストレスの中でも、私が一番気になるのがこれでした。毎回使う度に拭かなければ、水切りかごは常に湿気を帯びているので、ヌメりやカビが発生します。
水切りかごの場合は、ワイヤーがクロスしている部分が一番汚れがたまります。この汚れを気づかずに放置すれば、洗ったきれいな食器を汚いかごに入れていることになり、衛生面としても非常によくないですね。
水切り具合のストレス
水がついた食器を水切りかごや水切りトレーに置くとき、落ちた水滴は、できるだけスムーズに排水される必要があります。
水切りカゴと受け皿タイプ、シンクに引っかけるタイプは、高さがあるので、水かしっかり流れてくれます。反対に水切りトレーは、溝の形状や深さによっては、水がうまく流れてくれない場合があるので選ぶときには注意が必要です。
水切りカゴを使わない場合は、水切りマットを使用するので、水切りマットがどれくらい水を吸ってくれるかどうかがポイントとなります。
以上の4つが、ストレスの原因となる大きなポイントです。性格にもよりますが、どのストレスを一番避けたいのか、優先順位を決めることによって、水切りかごを選ぶ目安にもなりますね。
4つの水切り方法を比較してみる
続いて、各種類の水切り方法について、メリットデメリットを見ていきましょう。体験を元にして、実際に使ってみた順番で、使い勝手も一緒にご紹介していきます。
水切りかごと受け皿タイプ
このタイプの水切りかごは、一般的な水切りかごとしては広く知られているタイプですね。私も、初めて一人暮らしをしたときに、特に何も考えずに購入しました。
しかし、住んだ間取りは1Kの狭いアパート。玄関から部屋につながる通路にキッチンがある、省スペースなよくある間取りです。
もちろんキッチンは狭く、キッチンに立つと後ろ側にはすぐ壁。調理スペースも狭く、幅は30センチほどでした。水切りカゴを置くとまな板すら置けません。
水切りカゴを買ったあとに気づくという失態で、他に置くスペースもなく、泣く泣く買い換えることになりました…。
ちなみに、キッチンの上の戸棚は空いていたのですが、さすがに大きな水切りかごを、上の戸棚から毎回出したり入れたり…と考えた結果、さすがに断念しました。
受け皿タイプを快適に使うなら、広い調理スペースがあるか、キッチンワゴンなど、別に水切りカゴを置くスペースがあることが条件になります。棚の中などに入れても、毎回の出し入れの手間が気にならない人にもおすすめします。
使い勝手は、洗った食器をポンポン入れていけばよいので、とても楽ちんです。大きめの容量を選べば、お皿だけではなく、鍋なども一度に水切りできるというメリットもあります。
気になる衛生面は、やはり洗う箇所が多く、特にワイヤーが交差する部分には、ヌメり汚れがたまりやすいです。清潔に保ちたいのであれば、毎回しっかり乾燥させることが必要になります。
水滴や湿度がある場所は、どうしてもカビなどが発生しやすくなります。食器洗いをしたあとは、なるべく食器を置きっぱなしにはせず、その都度ふきんで拭いておきたいですね。
メリット
- 収納力は抜群
- 洗ったものをどんどん入れるだけ
- かごのまま一時的に移動することも可能
デメリット
- 場所をとる
- 汚れがたまりやすい
- ついつい置きっぱなしにしてしまう
- 形状によっては、水を捨てる作業が必要になる
水切りかごと受け皿タイプのまとめ
容量 ◎
衛生面 △
水切り具合 ○
シンク上に引っかけるタイプ
反省して、次に使ったのがこのタイプです。シンクもそこまで広くなかったのですが、幅の狭いスリムな商品を見つけたので、とりあえず買ってみました。
シンクの縦の幅に合わせて伸縮できるもので、幸運にも家のシンクとサイズがぴったりでした。一番縮めた状態で使えたのでよかったですが、伸ばした状態で使う場合は、食器を置けないデッドスペースができてしまうので注意が必要です。
シンクに引っかけるタイプは、容量が増える分、もちろんシンクは狭くなります。食器や鍋で、どれくらいの容量が必要か計算してから、サイズを選ぶとよいですね。
洗った食器の移動距離も少なく、洗ったものを入れるだけなので、使い勝手はよく、水切りもバッチリ。受け皿もないので、掃除の必要もなし。
ただ、スリムではありますが、シンクは狭くなります。フライパンなどの大きなものを洗うときに、柄が当たったりすることなどが、少し気になりました。
やはり、衛生面では、前回と同じくワイヤーの交差しているところが洗いにくかったです。また、シンクを掃除するときに、かごを引っかけている周りのシンクの側面が洗いにくく、掃除の度に、毎回移動させるのも、実はストレスだったかもしれません。
小さなストレスはあったものの、ある程度は満足していたので、錆びて一度買い換えて、トータルで3年ほど使っていました。
メリット
- 調理スペースが広く使える
- 水を捨てなくてもいい
- 水の切れがいい
デメリット
- シンクが狭くなる
- 汚れがたまりやすい
- シンクの幅に合うものを探すのが大変
シンクに引っかけるタイプのまとめ
容量 ○
衛生面 △
水切り具合 ◎
水切りかごを使わない(水切りマットで代用)
シンクタイプの2回目の買い換えを考えていたときに、ふと見た断捨離ブログ。水切りかごを処分して、水切りかごの代わりに、水切りマットを敷いて水を吸わせるというものでした。
早速試してみたところ、スペース問題も衛生面もクリアし、確かに便利ではあったものの、水分が多い状態で食器を置いていくと、徐々に吸水に限界がくるので、絞り直さないといけないのが気になるところでした。
とはいえ、吸水力があるものを使ったり、足りなければ2枚使いなどで対応も可能です。専用の水切りマットがなくても、厚めのタオルなどでも代用できるので、一度試してみるのもおすすめです。
メリット
- 吸水マットを広げるだけ
- 洗濯できるので衛生的
デメリット
- 収納力は少なめ
- 排水できないので、定期的に絞る必要がある
- 食器を乗せたまま移動ができない
水切りマットのまとめ
容量 △
衛生面 △
水切り具合 △
水切りトレー
いよいよ本命の登場です。
前回、吸水マットを使ってみてから、他にも方法がないのか探しているうちに水切りトレーの存在を知りました。早速使ってみると、排水もできるしいい感じです。そして、使わないときはまな板のように、立てたり隙間に収納ができるのがメリットです。
さらに、衛生面では食器のように洗うことができるのがとても素晴らしいところ。使い勝手としては、吸水マットと似ていますが、一番の違いは食器をのせたまま移動ができることです。
どちらもシンクの横に置いて使いますが、水切りトレーは、食器をのせたまま移動することができます。
これは、個人のやり方にもよるのですが、私の場合は、調理中にちょこちょこ洗い物をしたい性格で、調理中に一度洗ったものも、もう一度使うので置いたままにしておく機会も多くあります。調理スペースとして場所を使いたいときでも、水切りトレーならシンクの横から一時的に避難するとこも可能になります。
ちょこちょこ洗い物をするので、水切りトレーのデメリットである収納力もあまり気にならないのも、ポイントが高かった点です。
料理のやり方は、人それぞれ。
とはいえ、一度使ってみてほしい水切りかごの素晴らしさが、少しは伝わりましたでしょうか。
これでやっと満足のいく食器洗いができるようになりました。私の水切りかごを巡る、長い旅は終了です。お付き合いいただきありがとうございます。
メリット
- 使わないときは、立てて収納できる
- 食器をのせたまま移動可
- 食器のように簡単に洗える
デメリット
- 収納力は低め
- トレーの角度によっては、排水が甘め
水切りトレーのまとめ
容量 △
衛生面 ◎
水切り具合 △
水切りカゴを比較してみた感想
以上のように、全て使ってみた結果、私は水切りトレーが一番使い勝手がよいと感じました。
値段も比較的低価格で、100均でも買うことができます。我が家で愛用中なのは、Seriaで購入したトレーです。
同じものでなくても、1000円以内でも十分使いやすい商品が探せます。ぜひ、お気に入りの水切りトレーを探してみてください。
水切りトレーの選び方
水切りトレーを選ぶとき、確認しておきたいポイントをご紹介します。
排水箇所を確認する
水切りトレーの排水場所は、中央またはサイドにあります。中央の場合は問題ありませんが、サイドにあるときは、排水がしっかりシンクに落ちてくれる位置にあるのか確認してみてくださいね。
容量を確認する
トレーの大きさによって、一度に乗せられる容量が変わります。かごのようにサイドには壁がないので、食器を積み過ぎると崩れる危険があります。一度にたくさん洗うという人は、余裕をもって大きめを選びましょう。
形状を確認する
ここが見極めが難しいところなのですが、水切りトレーは、「食器はすべらせずに、水はスムーズに流す」という絶妙な角度に設定されていす。ですが、プラスチック素材だと、角度がゆるめに設定されているものが多く、排水せずに残ってしまうものもあります。
水を流す溝があるのですが、この溝の形状によっても洗いやすいかどうかぎ変わってくるので、ぜひチェックてみてくださいね。
素材を確認する
洗いやすい水切りトレーの中でも、素材や形状によって洗いやすさは変わってきます。
素材は、プラスチックとシリコンが多く、洗いやすさを考えるとプラスチックがおすすめです。もちろんシリコンでもしっかり洗うことはできるので、水切りの甘さが気になる人は、シリコン素材にするとよいかもしれません。
ライフスタイル別、おすすめ水切りカゴ
水切りトレーが最強とお伝えしましたが、もちろんライフスタイルによっては、他の水切りトレーが向いている場合もあります。
気になるポイントは、人によって異なりますし、メリットとデメリットを理解した上で、よりストレスがたまりにくい種類を選びましょう。
それぞれのライフスタイル別で、おすすめののタイプをご紹介します。
自炊はしない。食器も少ない。トレーを拭くのも面倒くさい
シンクに引っかけるタイプがおすすめです。ふきんも使わずに、自然乾燥がでにます。定期的に、カゴが汚れていないかはチェックしてくださいね。
キッチンは常にすっきりと使いたい。ものを置くのが嫌い
水切りマットか水切りトレーがおすすめです。使ったら片づけることを習慣にすれば、常にキッチンがすっきり と使えて気持ちよいですよ。
気合いを入れて、鍋も食器も、まとめて一度に洗いたい
大きめの水切りかごと受け皿のタイプがおすすめです。食器を洗ったついでに、毎回かごも洗うようにすれば完璧ですね。
水切りカゴまとめ
以上のように、何にストレスを感じているか見極めて、できるだけベストな方法を探すことで、食器洗いも少しは楽しくなるのではないでしょうか。
- スペース
- 容量
- 衛生面
- 水切り具合
の4つのストレスのうち、何を一番に重要視しているのかを考えて、ライフスタイルに合わせた水切り方法を探してみてください。