引越しに伴って洗濯機を買い換える時期がきました。一人暮らしにとって洗濯機は日常生活に欠かせない必需品ですが、どんな種類を選ぶべきか悩むポイントは多いものです。
特に現代の選択肢は多様化しており、縦型の標準洗濯機からドラム式洗濯乾燥機まで、価格帯やスペックに大きな幅があります。限られた予算と狭いスペースで生活する一人暮らしの方にとって、高価なドラム式洗濯乾燥機は本当に必要なのでしょうか?
私も以前は普通の縦型洗濯機(小さめサイズ)を使用していましたが、様々な選択肢の中から思い切ってドラム式洗濯乾燥機への買い替えを決断しました。結果として非常に満足しています。
しかし、数万円から十数万円という決して安くない買い物ですので、「本当にそこまでハイスペックな洗濯機が必要なのか」「一人暮らしの生活に見合うのか」と迷われる方も多いでしょう。
そこで、実際に一人暮らしで使用してわかったメリットとデメリット、選び方のポイントを徹底解説します。特に次のような疑問をお持ちの方に役立つ情報をまとめました:
- ドラム式は本当に一人暮らしに適しているのか
- 初期費用の高さに見合うメリットはあるのか
- 限られたスペースでも設置可能なのか
この記事が、あなたの洗濯機選びの参考になれば幸いです。

洗濯機の種類・タイプの違い
洗濯機選びで悩むポイントの一つが「どのタイプを選ぶか」です。特に一人暮らしという限られたスペースと予算の中では、慎重に選ぶ必要があります。現在の市場で主流となっている洗濯機は大きく3つのタイプに分けられます。
- 洗濯機の主要3タイプ:
- 縦型洗濯機(乾燥機能なし)
- 縦型洗濯乾燥機(乾燥機能付き)
- ドラム式洗濯乾燥機(乾燥機能標準装備)
容量やメーカーによる違いはありますが、まずはこの基本的なタイプの違いを理解することが選択の第一歩です。
縦型洗濯機と洗濯乾燥機の特徴
縦型洗濯機は日本の住宅事情に適した伝統的なスタイルで、多くの一人暮らし向け物件に設置されています。
縦型洗濯機の主な特徴:
- 上部に蓋があり、真上から洗濯物を出し入れする設計
- 初期費用が比較的安く、エントリーモデルは4〜5万円から購入可能
- 設置面積が小さく、奥行きに余裕がない場所でも配置しやすい
- 水を多く使用し、衣類同士を擦り合わせて洗浄する方式
縦型の中でも乾燥機能付きモデルは、部分乾燥に対応したものが多く、完全乾燥ではなく「乾きやすくする」程度の機能を持つものが一般的です。完全乾燥を求める場合は、上位モデルを選ぶ必要があります。
縦型洗濯機は衣類への負担が比較的大きい一方で、泥や固形汚れの除去に優れている点が特徴です。また、操作パネルが上面にあるため、立ったままでの操作が容易です。
ドラム式洗濯乾燥機の特徴
ドラム式洗濯乾燥機は、欧米で主流のタイプで、近年日本でも人気が高まっています。特に一人暮らしのライフスタイルを大きく変える可能性を持っています。
ドラム式の主な特徴:
- 横向きのドラム内で衣類を上から落とす洗浄方式を採用
- 水と洗剤の使用量が縦型に比べて少なく、ランニングコストが抑えられる
- 衣類への負担が少なく、シワになりにくい洗い方
- ほとんどのモデルに完全乾燥機能が標準装備されている
- 初期投資は高めだが、長期的には経済的になる可能性がある
ドラム式は前面にドアがある設計となっており、衣類の出し入れは若干かがむ必要がありますが、洗濯機上部が平らになるため収納スペースとして活用できるメリットもあります。
また、2025年現在の最新ドラム式洗濯乾燥機は、AI制御による最適な洗濯コース選択や、節水・省エネ性能がさらに向上しており、初期モデルと比較して大幅に進化しています。
特にヒートポンプ式の乾燥システムを採用したモデルでは、電気代を抑えながら効率的に乾燥でき、一人暮らしの方の洗濯習慣を根本的に変える可能性を秘めています。
縦型とドラム式の決定的な違い
洗濯機を選ぶ際に迷いやすいのが縦型とドラム式の違いです。一人暮らしの限られた予算とスペースで考えると、どちらがベストな選択なのか、明確な違いを理解しておきましょう。
洗い方の違いと洗浄力
縦型とドラム式では洗濯の仕組みが根本から異なります。
縦型洗濯機の洗浄方法:
- 衣類を水中でこすり合わせるように洗う
- たっぷりの水で洗剤を泡立てて洗う
- 泥や固形汚れに強い特徴がある
- 衣類同士の摩擦が大きいため、衣類が痛みやすい
ドラム式洗濯機の洗浄方法:
- 回転するドラム内で衣類を上から下へ落とす動きで洗う
- 少ない水量で効率的に洗浄する
- シワや衣類の痛みが少ない設計
- 水・洗剤の使用量が少なく節約になる
洗浄力については、頑固な泥汚れなどには縦型の方が効果的とされていますが、現在のドラム式洗濯機も高性能化が進み、洗浄力の差は以前ほど大きくありません。むしろ衣類へのダメージが少ないドラム式の方が、デリケートな衣類や長く着たい服にはおすすめです。
サイズと設置場所の注意点
ドラム式洗濯機が大きいと言われる理由は本体の形状にあります。
設置面積の比較:
- 両タイプとも基本的な足の設置面積は約60cm四方とほぼ同じ
- ドラム式は前面にドアがあり、前方へ本体が出っ張る構造
- ドラム式はドアを開くためのスペースが別途必要
設置場所での注意点:
- 縦型:防水パンに足が収まれば基本的に設置可能
- ドラム式:足の設置スペースに加え、前方に余裕が必要
- 観音開きの洗濯機置き場ではドアが閉まらない可能性あり
購入前には必ず以下の実測値を確認してください:
- 防水パンのサイズ(幅×奥行き)
- 洗濯機置き場の高さ(特に棚などがある場合)
- ドアを開けた時の必要スペース(前方)
- ドラム式の本体の最大奥行き(60cmを超える部分)
搬入経路についても事前の確認が必須です。間口の狭いマンションやアパートでは、建物入口、玄関、廊下、エレベーターなど、運び入れる全ての経路でドラム式洗濯機が通るスペースがあるか確認しましょう。一般的に60cm幅+αの余裕があれば問題ありません。
デザイン・形状の選び方
デザインや形状は実用面だけでなく、毎日目にする家電として重要な要素です。
縦型のデザイン特徴:
- 上部に蓋がある伝統的なスタイル
- 日本の住宅事情に合わせて発展してきた形状
- 洗濯物の出し入れは立ったまま行う
- 上部に物を置くことができない
ドラム式のデザイン特徴:
- 前面にドアがある欧米スタイル
- 洗濯物の出し入れはやや腰を曲げる姿勢
- 洗濯機の上に物を置けるスペースができる
- 洗面所や脱衣所でのスペース活用が可能
選び方のポイントは使いやすさと空間活用にあります。腰や膝に不安がある方は出し入れのしやすさで選ぶことも検討してください。特に一人暮らしの限られたスペースでは、ドラム式の上部を収納スペースとして活用できる点は大きなメリットになります。
初期費用とランニングコストの比較
洗濯機の購入を検討する際には、購入時の価格だけでなく長期的なコスト比較が重要です。
初期費用(購入価格)の違い:
- 縦型(乾燥機能なし):5〜10万円程度
- 縦型(乾燥機能付き):8〜15万円程度
- ドラム式洗濯乾燥機:10〜25万円程度
ランニングコストの違い:
- 水道代:ドラム式は縦型と比べて約40%の水量削減が可能
- 電気代:乾燥機能使用時はドラム式の方がエネルギー効率が良い傾向
- メンテナンス費用:どちらも定期的な手入れが必要
長期的に見ると、ドラム式は初期投資は高めですが、水道光熱費の削減効果があります。一般的な使用で試算すると、約5〜7年で価格差が相殺されるケースもあります。また、洗濯機の平均寿命が7〜10年であることを考えると、総コストは思ったほど変わらない可能性があります。
さらに、一人暮らしの場合は洗濯頻度や一回の洗濯量も考慮すべき要素です。小容量の洗濯物を頻繁に洗う場合、ドラム式の省エネ・省水性能が活きてきます。
一人暮らしでドラム式洗濯乾燥機を使った実感
「乾燥機能があるから干さなくていい」というのは当たり前のメリットですが、実際に一人暮らしで使ってみると、想像以上の生活の質向上を実感できます。特に限られたリソース(時間・スペース・予算)で暮らす一人暮らしにこそ、その恩恵は大きいものです。
時間管理が自由になるメリット
従来の洗濯機では、洗濯→干す→取り込むという一連の流れを管理する必要がありましたが、ドラム式洗濯乾燥機ではこの制約から解放されます。
普通の洗濯機では以下の流れを意識する必要があります:
- 洗濯を始める
- 洗濯が終わるタイミングで干す(放置すると臭いやシワの原因に)
- 乾いたら取り込む
時間的な自由度が格段に向上するのがドラム式洗濯乾燥機の最大のメリットです。洗濯が終わった後にすぐ干す必要がなく、洗濯終了時間を気にせず外出したり、寝たりすることができます。「洗濯物を干す」という作業のために予定を調整する必要がなくなるのは、特に忙しい社会人にとって大きな価値があります。
外出前でも、就寝前でも、洗濯開始ボタンを押すだけで、あとは好きなタイミングで乾いた洗濯物を取り出せば良いだけというストレスフリーな洗濯体験が実現できます。
手間が減ることで生まれる習慣の変化
乾燥機能がないと、洗濯は「終了を待って」「干して」という時間と労力が必要で、つい後回しにしがちです。しかしドラム式では実質的に洗濯開始のボタンを押すだけで完結します。
この労力の大幅な削減により、洗濯のハードルが格段に下がります:
- 少量の洗濯でも気軽に回せるようになり、毎日でも簡単に洗濯できます
- タオルやパンツ、靴下などを大量にストックする必要がなくなります(3枚程度で十分に回せる)
- こまめに洗濯することで清潔な衣類を常に維持できるようになります
実際、洗濯の手間が減ることで、服の総所有枚数を減らしつつも、いつも清潔な状態を保てるというミニマルな生活スタイルが可能になります。
急な来客や服の再利用が簡単に
「この服を着たいけど洗濯していなかった!」という経験は誰にでもあるものです。ドラム式洗濯乾燥機があれば、そんな時でも約2時間で洗濯から乾燥まで完了するため、すぐに着られる状態にできます。
急な用事や予定変更があった時でも、短時間で服を用意できるメリットは計り知れません:
- 前日に着た服を翌日また着たい場合でも簡単に洗える
- 友人や恋人が突然泊まりに来た場合でも安心
- インタビューや大事な会議など、特定の服が必要な場面での急な対応も可能
これは単なる便利さだけでなく、一人暮らしの社会生活の柔軟性を高めてくれる重要なポイントです。
収納スペースが増える意外なメリット
ドラム式洗濯乾燥機の形状から生まれる思わぬメリットもあります。洗濯機の上に物が置けるという点は見落としがちですが、スペースが限られる一人暮らしの部屋では大きな価値があります。
タテ型洗濯機では上部にフタがあるため物を置けませんが、ドラム式は前面にドアがあるため上部スペースを有効活用できます:
- 洗剤やソフター、洗濯ネットなどの洗濯用品の置き場に
- ランドリーバスケットの置き場として
- 追加収納スペースとして活用可能
また、物干し竿や洗濯ハンガーが不要になるため、それらを保管するスペースも節約できます。一人暮らしの限られた収納スペースにとって、これは見逃せない利点です。
部屋干し不要で生活空間の質向上
洗濯物を干す場所が必要なくなることは、一人暮らしの生活空間の質を大きく向上させます。
部屋干しをしなくても良くなることで得られるメリット:
- 部屋の見た目が常にすっきりとする
- 干している洗濯物からの湿気によるカビやダニの発生リスク減少
- 生乾きの嫌な臭いがしない清潔な空間の維持
- 洗濯物が見えることによるプライバシーの懸念解消
特に「外に干せない」環境にある場合や、限られたスペースで部屋干しせざるを得なかった方にとっては、生活空間が大幅に改善します。空間的にも精神的にもゆとりのある一人暮らしを実現できるポイントです。
また、物干し竿や洗濯ハンガーなどの必要性がなくなることで、持ち物が減り、ミニマルな生活がしやすくなります。引っ越しの多い一人暮らしにとって、持ち物が少ないメリットは大きいでしょう。
ドラム式洗濯乾燥機の注意点と対策
一人暮らしでドラム式洗濯乾燥機を選ぶ場合、いくつかの重要な注意点があります。これらを事前に確認しておくことで、購入後の後悔を防ぎ、快適に使用することができます。
購入前の設置スペース確認方法
ドラム式洗濯乾燥機を購入する前に、設置場所のサイズ測定は必須です。一般的なドラム式洗濯機は横幅約60cmですが、特に重要なのは奥行きと前面スペースです。
設置前に確認すべきポイント:
- 防水パンのサイズ:洗濯機の足が収まるか(一般的に60cm四方)
- 前方スペース:ドアの開閉に必要な余裕(最低30cm以上)
- 搬入経路:玄関、廊下、階段、エレベーターなど全ての経路の幅
- 室内ドアとの干渉:洗濯機置き場が観音開きドア内の場合は注意
測定の際は、メジャーを使って正確に測り、メモを取っておくことをおすすめします。家電量販店でモデルを選ぶ際に、これらの数値を店員に伝えれば適切なアドバイスがもらえます。
乾燥方式の選び方(ヒーター式 vs ヒートポンプ式)
乾燥機能付き洗濯機には主に2種類あり、選び方で使い勝手が大きく変わります。
ヒートポンプ式のメリット:
- 完全乾燥が可能で、取り出してすぐに収納できる
- 省エネルギーで電気代が抑えられる
- 乾燥中でもドアを開けられる場合が多い
- 衣類へのダメージが少ない
ヒーター式の注意点:
- 完全乾燥までいかないことが多く、仕上げに干す必要がある
- 電気代がかかる傾向がある
- 乾燥後も冷却時間が必要で、その間ドアがロックされることも
一人暮らしで洗濯物を干すスペースが限られる場合は、完全乾燥が可能なヒートポンプ式を選ぶことをおすすめします。初期費用は高くなりますが、長期的には省エネによるコスト削減と利便性で十分元が取れます。
メンテナンス頻度と簡単な掃除方法
ドラム式洗濯乾燥機を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが重要です。特に乾燥機能を使用する場合は、フィルターの掃除が必須となります。
フィルター掃除の目安:
- 乾燥使用1〜3回ごとに実施(機種によって異なる)
- 「掃除してください」のランプやお知らせ機能がある場合はそれに従う
- 大量の埃が溜まっていると乾燥効率が落ち、電気代増加や故障の原因になる
フィルター掃除の基本手順:
- 電源を切ってから作業する
- フィルターを取り出し、付着した糸くずを取り除く
- 目詰まりがひどい場合は水洗いも効果的
- 完全に乾かしてから元に戻す
これらの作業は1〜2分程度で完了する簡単なものですが、継続的に行うことで機器の寿命を延ばし、性能を維持できます。
引越し時の考慮点と対応策
ドラム式洗濯乾燥機はサイズが大きく重いため、引越しの際には特別な配慮が必要です。
引越し前に検討すべきポイント:
- 新居の洗濯機置き場のサイズ確認:間取り図だけでなく、実測することが理想的
- 搬入経路の確保:新居の玄関・階段・廊下の幅を事前に確認
- 引越し業者への事前連絡:大型家電であることを伝え、適切な人員を確保してもらう
もし新居に持っていけない場合の選択肢:
- 中古買取サービスの利用:状態が良ければ買取価格も期待できる
- 知人・親族への譲渡:不要な場合でも喜ばれることも
- 家電リサイクル:適切な処分方法の検討
引越しが頻繁にある生活スタイルの場合は、購入前にこの点も考慮してください。ただし、快適な生活を優先したい場合は、そのときの状況で対応を考えるという選択肢も合理的です。
まとめ:一人暮らしにドラム式は贅沢か必需品か
一人暮らしにおけるドラム式洗濯乾燥機は、初期費用の高さから考えると一見贅沢に思えますが、実際に使ってみると生活の質を大きく向上させる必需品と感じる人が多いのも事実です。時間の自由度が増す、干す手間と場所が不要、少ない労力で清潔な衣類を維持できるといった点は、特に忙しい一人暮らしの方にとって大きなメリットとなります。
選ぶ際のポイントは、設置スペースと搬入経路の確認、ヒートポンプ式の選択、そしてコスト面では長期的な視点を持つことです。初期費用は高くても、水道光熱費の節約や洗濯にかける時間と労力の削減を考えると、長い目で見れば十分に元が取れる投資と言えるでしょう。
自分のライフスタイルに合わせて考えれば答えは自ずと見えてきます。頻繁に引越しする予定がある、予算が厳しく制限されている、干す習慣を大切にしたいという方には不要かもしれません。しかし、時間を有効活用したい、少ない手間で清潔な暮らしを維持したい、部屋を広く使いたいという方には、間違いなく生活の質を高める価値ある選択肢です。
参考製品とおすすめモデル:
現在のドラム式洗濯乾燥機市場では、一人暮らし向けのコンパクトモデルも増えています。特におすすめは以下の条件を満たすモデルです。
おすすめの条件:
- 洗濯容量6〜7kg程度(一人暮らしに十分なサイズ)
- ヒートポンプ式乾燥機能搭載
- 奥行きがコンパクトで設置しやすい
- 省エネ性能が高い(節電・節水機能)
- 静音設計(夜間や早朝の使用も快適に)

価格帯は10〜15万円程度のものが多いですが、セール時期を狙ったり、型落ちモデルを選んだりすることで7〜8万円台で購入できることもあります。家電量販店では定期的に「洗濯機下取りキャンペーン」なども実施されているので、それらを活用するとさらにお得に購入できるでしょう。
ドラム式洗濯乾燥機は、一人暮らしの「生活時間の創出」という点で考えると、単なる家電を超えたライフスタイル投資と言えるのではないでしょうか。


