除湿が寒い理由と対策|エアコンのドライで室温が下がるのはなぜ?

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除湿なのに寒いのはなぜ? 一人暮らしの家電

湿度が高くて気持ち悪いので、エアコンのドライ機能を使う。するとなぜか部屋がとても寒くなってしまう。

なぜ?

ということで、除湿をするとなぜ寒くなるのかエアコンの仕組みから解説します。

結論を言うと、除湿も冷房も実は同じ機能

  • 冷房にする:温度が下がるついでに、湿度も下がる
  • 除湿にする:湿度が下がるついでに、温度も下がる

湿度を基準に動いてるか、温度を基準に動いているかの違いだけです。

それを理解した上でどんな対策ができるかを書きます。

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エアコンの除湿機能で部屋が寒くなる仕組み

なんで除湿したいだけなのに寒くなるの!?と気になる人はお読み下さい。

具体的な対策を知りたい人は読み飛ばしていただいて大丈夫です。

🔽 除湿で寒いときの対策へ

冷房と除湿機能の違い

画像:https://www.daikin.co.jp/

エアコンの「冷房」と「除湿」の機能の違いですが、それぞれ冷房を目的に稼働しているか、除湿を目的に稼働しているかの違いです。

  • 冷房
    温度をモニターし、温度の数値を基準に機能する
  • 除湿
    湿度をモニターし、湿度の数値を基準に機能する

エアコンが稼働する指標が、温度なのか湿度なのかの違いです。

除湿(ドライ機能)の仕組み

引用:https://kadenfan.hitachi.co.jp/

エアコンのドライ機能はどのように部屋の湿度を下げているのか。

  1. エアコンが湿度が高い空気を吸い込みます
  2. その空気を熱交換器によって温度を下げます
  3. 空気の温度が下がると、飽和水蒸気量が下がるので、空気内の水分が液体(水滴)になります
  4. その水を室外機から排出します
  5. 残った空気(温度が下げられたもの)が室内に戻されます
飽和水蒸気量とは空気中に存在できる水蒸気の量で、空気の温度が低くなるほど存在できる量が少なくなります。飽和水蒸気量を超えると、水蒸気は液体になります。

エアコンが除湿をする機能はこのような流れです。

夏場に冷たい飲み物のグラスに水滴がつくのと仕組みは同じです。あれはグラスで冷やされた空気の飽和水蒸気量が下がって、空気中に存在できなくなった水蒸気がグラスに水滴として現れる現象です。

これをエアコンがエアコンの中で「空気を冷やす→水蒸気を水滴にする→排出」とやっているんですね。

実は冷房も除湿も機能は同じ

ここ重要です。

冷房も除湿も機能的な仕組みは一緒です

機能としては、冷房を入れても湿度は下がるし、除湿しても室温が下がるということです。

これを冒頭に書いたように、温度を基準にするか、湿度を基準にするかの違いだけです。

例えば、冷房を25℃設定にした場合は、25℃に向けて室温を下げ始め、どうじに湿度も下がります。そして室温が25℃になったら、冷房も除湿も止まります。

除湿の場合は、除湿を開始すると同時に冷房も始まります。そして、設定の湿度になるまで冷房も続きます。逆に言えば、湿度が下がるまで冷房し続けるということ。

これが、除湿にしたのになぜか寒くなる原因ですね。

指標が湿度なので、部屋の温度が何度になろうが関係なく、除湿が完了するまで冷房が入った状態になるということです。

夏場に「冷房しなくてもドライにしておけば涼しくなる♪」というのは間違いということですね。冷房入れてるのと同じですから。

弱冷房除湿と再熱除湿

画像:https://www.mitsubishielectric.co.jp/

弱冷房除湿と再熱除湿についても説明します。

弱冷房除湿とは、一般的な除湿機能のことです。上に書いた「空気を冷やして除湿している」というものです。つまり冷房機能を弱めに稼働させているだけ。

機能的に、除湿するために空気を冷やす必要があると書きましたが、その冷やした空気を温め直して室内に戻す機能が再熱除湿です。

再熱除湿は部屋を冷やしすぎること無く除湿ができるので、寒がりな人には便利な機能ですね。

ただ、残念ながらデメリットもあります。

それは電気代がかかること。

空気を一旦冷やして温め直すというとても非効率的な動きをさせてるので、当然電気代が高くなるのは理解できると思います。

除湿で寒いときにできる具体的な対策

エアコンを使った除湿は仕組み上、絶対に寒くなる。弱めの冷房をずっとつけているのと同じことになります。

これはエアコンの機能的にどうしようもないことなので、寒いのを我慢するか、湿度が高いのを我慢するかのトレードオフになります。

温度と湿度の両方を見て、自分が一番快適な妥協点を探すのが1つの解決策です。

寒くなりすぎたと感じたら、除湿を止めるなどです。

再熱除湿を使う

再熱除湿機能があるエアコンの場合は、再熱除湿を使うことでなるべく室温を下げないまま除湿が出来ます。

ただ、冷房や除湿と比較して電気代がかかるのがデメリット。

そして、それなりの高機能モデルのエアコンにしか再熱除湿機能が無いというところですね。

どうしても温度と湿度の両立を目指したい人、快適性のためには多少のお金は惜しまないという人はこれ。

ちなみにエアコンに搭載されている除湿機能は3パターン。

  • 弱冷房除湿のみ
  • 再熱除湿のみ
  • 弱冷房除湿と再熱除湿の切り替え可能

エアコンを選ぶときの参考にどうぞ。

除湿乾燥機なら寒くならない

エアコンではなく除湿機であれば室温がさがりません。

除湿乾燥機は、エアコンのように部屋を冷やすことなく湿度を下げることができます。これは特に、冷房が苦手な人や冬季に湿度を下げたいときに有効です。

除湿機が湿度を下げる仕組みとしては、基本的にエアコンと同じです。空気を冷やして結露させるといものです。ただ、空気を冷やすときに奪った熱がどこに行くかが違います。

エアコンは熱が室外機から外に逃しますが、除湿機の場合はそのまま室内に熱が戻ります。

部屋の温度を下げずに除湿だけしたい人は、除湿機を利用するのも手です。

コンプレッサー方式とデシカント方式と2つの方式がありますが、どちらを選んでも寒くはならないので大丈夫です。

除湿剤を使う

機械的なものを使わない除湿方法も一応あります。

  • 重曹
  • ダンボール
  • 新聞紙
  • 凍らせたペットボトルで水滴がつく

いずれも、水分を吸着させる性質があるものを部屋に設置する方法です。

除湿剤は、小さなスペースやクローゼットなどの湿度を下げるのに役立ちます。これは、エアコンや除湿乾燥機を使うほどの湿度ではない場合や、電気代を節約したい場合に有効です。

ただ、実際これで湿度を下げようとしたらかなりの量を置かないと効果がありません。あまり現実的ではないですね。

というか部屋に置いておいて水蒸気が吸着してしまったら、それ以上除湿しないので、その都度乾燥したものを用意する必要もあります。

唯一、実際に除湿効果が期待できそうなのは除湿剤です。

衣類用のシートタイプなどでは、足りないので、BOXタイプのものを部屋に置きましょう。

適切な温度設定をする

エアコンの除湿機能を使う場合、温度設定を適切にすることが重要です。設定温度が低すぎると部屋が冷えすぎてしまうので、適度な温度に設定しましょう。

湿度計(センサー)を使う

室内の湿度を把握するために湿度センサーを使うと、適切なタイミングで除湿を行うことができます。これにより、部屋が冷えすぎるのを防ぐことができます。

エアコンの除湿まとめ

エアコンの仕組み上、除湿をすると部屋が寒くなるのは仕方がありません。

諦めて弱冷房除湿以外の方法で除湿をするか、湿度を下げるために室温の低下を受け入れて厚着で過ごすなどの対応が選択肢になります。

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