節約といえば外食費を抑えた自炊が一番。おかずだけ買ってきてご飯だけ炊く人も多いですね。炊飯器はスイッチひとつでご飯が炊けて、とても便利。ですが、炊飯器がなくてもご飯は炊くことができます。
実際に炊飯器をやめて鍋でご飯を炊く生活に変えてみた感想や、メリットデメリット、ご飯を炊くのに適した鍋の種類や、おいしいご飯の炊き方をご紹介します。
現在、炊飯器を使う頻度は減りましたが、完全に処分はしていません。キッチンの一等地に毎日あった炊飯器が、2軍に降格し、年に数回登場する調理器具になりました。
キッチンのスペース問題や、炊き立てご飯の味にも十分満足していますが「鍋でご飯を炊いている」という、満足感もかなり大きいです。
炊飯器を買うか土鍋を買うか迷っていたり、炊飯器をやめようと思っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
炊飯器がないと困ること
実際に、炊飯器を撤去する前に、炊飯器がない生活はどう不便になるのかを検証してみました。
私の場合、結果的にはそこまで不便にはならずに、鍋で炊いたときの方がメリットが多かったので、現在は鍋での炊飯に切り替えています。
炊飯器を使わない生活のヒントにしてみてくださいね。
保温ができない
炊飯器の便利機能のひとつに「保温」があります。最新の機種は、炊き立て直後のおいしさを保ったまま、保温できるものが増えています。
ですが、我が家で使っていた炊飯器は、数年前に2万円ほどで購入した普通の炊飯器。「保温したご飯はおいしくない」という話もよく耳にしますね。例外に漏れず、我が家の炊飯器も、保温したご飯はいまいちでした。
保温したご飯が苦手で、一人暮らしをしている人におすすめなのは、まとめて炊いたご飯を1食ずつラップにまとめておく方法です。保温機能を使わなくても、電子レンジで温めることで炊き立てに近いおいしいご飯になります。
水加減がわからない
ご飯を炊くときにとても大事なのが水の量です。水の量が、ご飯のおいしさを左右すると言っても過言ではありません。ここを間違ってしまうと、せっかくのおいしいご飯が台無しです。
炊飯器には、釜の内側に目盛りがあるので、どれくらい水を入れて炊けばよいのかが一目でわかります。
目盛りがなくても米の量に合わせた水の量を計算して入れることができるので大丈夫です。後半に、鍋でおいしくご飯を炊く方法について書いているので、よかったらご覧ください。
予約炊飯ができない
炊飯器は火を使わないので、予約炊飯ができるのも大きなメリットです。特に、毎朝炊き立てのご飯が食べたい人には、やはり炊飯器が向いているのかもしれません。
ちなみに、炊飯器を使っていたときの私のスタイルをご紹介すると、時間があるときに(主に夜)3日分くらいの量をを一度に炊いて冷蔵庫保管していたので、予約機能はほとんど使っていませんでした。
鍋の炊飯はキッチンが暑くなる
炊飯器も稼動させると熱は持ちますが、鍋で炊飯をする場合は、最低でも20分くらいの加熱が必要です。
IHであれば、炊飯器と同じくらいの温度上昇で済みますが、IHではなくガスコンロの場合、ずっと火がつきっぱなしなので、キッチン周辺の温度が大きく上昇してしまいます。
特に夏場のエアコンがない家は気をつけてください。
炊飯器がなくなって良かったこと
次に、炊飯器を撤去してみてよかったことをご紹介します。
キッチンスペースが広くなる
常に炊飯器を置いていたスペースが空いたので、一時的に食材を置いたりなど、調理中の動きに余裕ができました。
一人暮らしのキッチンはただでさえスペースが限られています。炊飯器は毎日使うので、戸棚にしまうのも手間ですし、3合炊きなどの小さな炊飯器でも、外側のサイズはなかなか大きくなります。
このスペースが広くなったことで、ストレスも減るので、料理のモチベーションも保つことができます。炊飯用の鍋を一つ増やしても、鍋はコンロの上に置いて置いている時間が長いので、そこまで邪魔にはならないと思います。
炊き立てご飯の美味しさを味わえる
今までも炊飯器で炊いたご飯の味に慣れていたので気が付きませんでしたが、初めて鍋でご飯を炊いたときのおいしさは、もう驚きでした。
「これが、粒が立ったご飯なのか!」と感動したことを覚えています。
使っていた炊飯器のグレードによるのかもしれませんが、高級炊飯器を使わなくても、1000円程度の鍋で、おいしいご飯を炊くことができるのも鍋炊飯のメリットです。
汎用性がある
ご飯を炊くには、土鍋やご飯鍋ではなくても、フライパンやソースパンなど、鍋に蓋をして加熱できる環境があればできるのです。
鍋は、専用でご飯用にしなくても、他の調理にも使えるのが嬉しいですね。がんばれば鍋一つで、ご飯、煮物、焼き物、揚げ物などを完結することもできます。
ものを増やしたくないという、ミニマリスト思考の人にもうってつけです。
清掃が楽
炊飯器は、お釜と本体、裏蓋、蒸気が出るところのパーツを洗う必要がありますが、鍋なら本体と蓋だけで大丈夫です。複雑な形の隙間に汚れがたまるなどの問題も少なく、衛生的にも安心ですね。
炊飯器生活に向いている人
以上のように、鍋での炊飯をおすすめしてきました。しかし、使い方や生活スタイルによっては、炊飯器の方が使い勝手が良い場合もあります。
次に当てはまるような人は、鍋よりも炊飯器を使った方がよいでしょう。
毎朝ご飯を炊きたい
タイマー予約機能を使えるのは炊飯器の特権です。「朝から料理する余裕はないけれど、毎朝ご飯を炊きたい」という人は、炊飯器一択でしょう。
コンロが一口しかない
コンロが一口しかない場合、ご飯を炊いている間は他の加熱する調理ができなくなってしまいます。料理の効率を考えると、炊飯には炊飯器を使った方がよさそうです。
極限まで手間をかけたくない
鍋と炊飯器を比べると、やはり炊飯器の方が手間は少なくて済みます。米を洗って研いで浸水させて炊くまでは、互角。
しかし、鍋での炊飯は、最低でも2回の火力調整があります。また、蒸らす時間も入れると、タイマーをかけて作業をしなけれいけません。この行程を手間と感じるのであれば、やはり炊飯器の方が向いているでしょう。
炊飯以外に活躍する炊飯器
毎日の炊飯として使う以外にも、実は、炊飯器は調理器具として活躍してくれます。ご飯はもちろん、ケーキや煮込み料理まで、アイディア次第でレシピの幅も広がります。
「炊飯器 レシピ」で検索すると、多くのレシピがヒットする他、様々な種類の、炊飯器レシピの本も出ています。
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炊飯器を使わなくなっても、スペースに余裕があれば、多機能な調理器具として取っておくと便利です。
炊飯器なし生活に向いている人
炊飯器の買い換えを考えていたり、これからどちらにしようか迷っているのであれば、ぜひ鍋での炊飯も検討してみてください。鍋の炊飯に向いている人は、次のような場合です。
炊飯器を置く収納スペースがない
「キッチンが狭く、炊飯器を置くスペースがなかったり、できるだけものを増やしたくない。でも、自炊はしたい!」という人は、ぜひとも炊飯を鍋でしてみてください。
炊飯器よりもスペースを取らずに収納することができるので、キッチン周りもすっきりしますね。
お金をかけずに、おいしいご飯が食べたい
炊飯器で炊いたご飯と、鍋で炊いたご飯。炊き立ての味を比べると、やはり差は歴然です。
炊飯器に数万円出すなら、1万円くらいの鍋を買って、すこしだけ手間をかけて炊くことをおすすめします。もちろん、1000円以下で買える土鍋などでも、おいしいご飯が炊けるので、一度試してみることをおすすめします。
お金をかけずにおいしいご飯を食べるには、やはり鍋の炊飯が有利といえます。
炊飯におすすめの鍋
ご飯を炊くときはどんな鍋を使えばよいのでしょうか。極論を言えば、米と水が入って蓋が設置できれば、どのような鍋でも炊飯はできます。
名称は重複する場合もありますが、ご飯を炊くのに適した鍋は「ご飯鍋」「土鍋」「文化鍋」がおすすめ。それぞれ、使い勝手がよいものをいくつかご紹介していきます。
ご飯鍋
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ご飯を炊くことを目的に開発された鍋です。もちろんご飯以外にも使うことができます。
ご飯鍋と呼ばれていても、素材は陶器だったり金属だったりと、実際は土鍋や文化鍋と同じくくりで呼ばれる場合もあります。
ご飯が炊きやすいように、吹きこぼれがしにくい形状をしていたり、内側に目盛りが入っていたりと、炊飯するのに使い勝手がよい工夫がされているのが特徴です。
土鍋
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主に陶器として、土をこねて焼いた鍋のことを土鍋といいます。
加熱すると火が柔らかく入り、保温にも優れているので、炊飯はもちろん、煮込み料理などにも適しています。
金属製の鍋に比べると、衝撃や急激な温度の変化に弱いというデメリットもあります。
とはいえ、土鍋は価格も手ごろでサイズも豊富。「まずは、鍋で炊いたおいしいご飯を試してみたい」という人におすすめです。
文化鍋
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文化鍋とは、アルミニウム合金を使用した、やや深めの鍋のこと。炊飯に適した蓋の形が特徴的で、鍋の内側に収まるような形状をしているので、沸騰してもふきこぼれしにくい構造になっています。
昭和のかまどを使った炊飯から、ガスレンジ普及の流れに合わせて、家庭でも広く使われるようになりました。のちに炊飯器が登場するまでは、よく使われていた炊飯方法です。
フライパン
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急に、ご飯を炊かなければいけない状況になったときでも、フライパンがあれば大丈夫です。基本的には、土鍋や文化鍋と同じ方法で炊くことができます。
ただ、側面の高さがない分、ふきこぼれには注意しましょう。フライパンでご飯を炊く場合は、すぐに火を弱められるように、加熱時の状態をしっかり観察することが重要です。
また、蓋がなくてもアルミホイルを蓋の形と同じように丸く成形したものでも代用可能です。
鍋を使ったご飯の炊き方
おいしくご飯を炊くことができる、基本のレシピをご紹介します。
ご飯の炊き加減は、鍋とコンロの状態、季節や気温にも左右されるので、実際にはこのレシピを基本にして、火力や時間など微調整しましょう。
そして、こちらはあくまでも理想の方法です。現実では、普段の手間と相談しながら、やりやすい方法でアレンジしてみてくださいね。
洗米
大きめのボウルにたっぷりの水を張って、米を入れます。できるだけ短時間でさっと洗い、一度水を捨てます。
米は乾燥しているため、水に触れた瞬間から吸水が始まります。米の表面についたヌカが、水分中に溶けだしているので、できるだけ短時間で洗うのがポイントです。
その後、水を換えて3~5回洗います。
最近では、精米技術が発達しているので、ごしごし擦って洗うところまでは必要ないと言われています。また、水が透明にならなくても、3~5回軽く洗えば大丈夫です。反対に、強く洗いすぎると米の旨味成分も失われてしまうので、注意が必要です。
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おいしさにとことんこだわるのであれば、洗米の1回目と2回目の水、浸水用の水は、ミネラルウォーターを使うと、よりおいしく炊くことができます。
吸水
洗米が終わったら、一度ザルに上げて水を切ります。水の量は、1合につき200ml、3合なら600mlです。
夏場30分~1時間、冬場は1時間~2時間浸水させます。多少長くなる分には問題ありませんが、浸水が足りないと、芯が残ったり、パサパサな炊きあがりになってしまいます。
時間がなくても、浸水時間はしっかり守ってください。
また、洗米、吸水はできるだけ冷たい水で行ってください。これは、細菌などの発生を防ぎ、米の鮮度を保つために大事なポイントです。加熱時に冷たい水から行うと、温度差によりさらに炊きあがりがおいしくなるメリットもあります。
加熱
蓋をして中火にかけて、沸騰するまでそのまま加熱します。ポイントは、沸騰するまで約10分の火加減で行うことです。
沸騰までにかかる時間は、米の状態やコンロの火力によって異なるので、ベストな火加減を探してみてください。加熱から蒸らしが終わるまでは、蓋は空けないようにしましょう。
沸騰したら火を弱火にして、10分~15分。完全に水分がなくなればオッケーです。ここで加熱は完了です。
ちなみに、中火、弱火、蒸らしをそれぞれ10分で覚えると簡単です。
蒸らし
最後に10分間蒸らしたら完成です。蒸らしが完了するまで、蓋を空けてはいけません。
蒸らしが終わったら、しゃもじで切るようにしてふわっとご飯を混ぜます。
できれば、おひつに入れて冷ますのが理想です。
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炊飯器を持たない暮らしまとめ
手軽においしいご飯を炊くには、鍋がおすすめです。鍋を使って、おいしいご飯を炊くポイントは、
- さっと洗米
- 水の量はきっちり計る
- 浸水時間は夏30分、冬1時間
- 中火、弱火、蒸らしを各10分
鍋で炊いたご飯は、本当においしいです。ぜひとも一度試してみてください。