一人暮らしの部屋探しをするうえで、まず家賃を考えると思います。
大まかな予算を決め、その範囲内で物件を探します。
ここではその予算を決めるにあたって、どのくらいの額を目安にすべきかを見てみたいと思います。単純に収入の3分の1などと決めてしまうと後々大変になるかもしれません。
一人暮らし家賃の平均と目安は約6.5万円
やはり、皆はどうなの?と気になると思いますので平均データを見てみましょう。SUUMO(スーモ)の調査による資料を使わせて頂きます。
20代一人暮らしの家賃 | |
地域 | 家賃 |
首都圏 | 70,414 |
関西 | 58,705 |
東海エリア | 54,388 |
☆平均 | ☆65,723 |
平均を見ると6万5723円となっています。間取りは1Kが半数以上を占めています。
ただ地域によって大きく価格の変動がありますので、あなたの住む街の家賃相場などを見てみるといいと思います。
首都圏であっても、都心の駅近になるととても7万円では住めないようなエリアも有りますので、あくまでも平均値は目安程度に考えましょう。
続いて、平均収入を見てみます。
年齢 | 平均年収 | 月換算 |
20〜24 | 246万円 | 20.5 |
25〜29 | 339万円 | 28.25 |
30〜34 | 384万円 | 32 |
(国税庁/民間給与実態調査結果より) 月換算については、単純に年収を12で割ったものです。ボーナスを考慮すると月収としてはもう少しすくなくなるかもしれません。
20代の平均像としては、月収約20〜28万円の人が、家賃約6万6千円の部屋に住んでいるということになります。
額面収入3分の1の家賃だとお金に余裕が無い
一般的に一番金銭的に余裕が無いであろう20代前半の人について見てみます。
平均的な月給(額面)が20万円と考えます。
手取りの収入は額面金額の約8割
ざっくりみるとこのくらいになります。給与が20万だとすると手取りは16万円程になります。
給与の1/3 | 約67,000円 |
手取りの1/3 | 約53,000円 |
平均家賃 | 約65,000円 |
いかがでしょう。
- 手取り額の3分の1だとオーバー
- 額面給与の3分の1だとギリギリセーフ
一般的な目安で家賃を決めるとこのくらいになりますが、問題は家賃を差し引いた残金で生活ができるかどうかです。
家賃以外の出費も考える
家賃以外にかかる出費です。毎月かかるであろう固定費を最低限のものだけて残金を出します。
手取り額 | 160,000 |
家賃 | -65,000 |
水道光熱費 | -10,000 |
通信費(携帯やネット) | -10,000 |
食費 | -25,000 |
残金 | 50,000 |
最低限、住んでご飯を食べれば残金が約5万円です。
もちろん、ここからそれぞれの人の環境で出費が重なります。
- 交通費
- 外食費
- 交際費
- 医療費
- 教育費
- 趣味代etc
なかなか厳しいですね。優先順位が高いものから使って行くと、趣味にかけるお金が殆ど残らないかもしれません。 想定外の出費や、まとまった出費のための預金などを全く考慮にいれなければギリギリ何とかなるという目安が3分の1です。
実際はもう少し余裕が有った方が日々の生活を楽しめるはずです。
生活レベルから逆算して家賃の予算を決める
家賃をいう固定費を先に決めてしまうと、あとで変更できなくなりますので大変です。
私の考えでは、家賃は最初に決めるべきではないと思っています。
得られる収入から、優先度の高い・必ず支払わなければならない出費を先に差し引きます。
- 職場への交通費の概算
- スマホ代
- 水道光熱費の概算
- 最低限の食費etc
その後に自分がコントロールできる部分である趣味代や外食・交際費などと家賃を天秤にかけて決めます。
- 家賃を7万円にしたらギリギリ生活できる
- 家賃を8万円にしたらバイトを1〜2日しなければならない
- 家賃を5万円にしたら毎月の服代が1万円増える
- 家賃を4万円にしたら月2回飲みに行ける
- 家賃を9万円では一度でも想定外の出費があれば終了etc
家の快適さと自分のやりたいことを比較してみましょう。
そうすると無駄な部屋に大事なお金を取られることも少なくなりそうです。
家賃が安い賃貸物件を探す方法
賃貸に限らずですが、物の価値というのは相場があります。基本的に市場における価格というのは、需要と共有でなりたっていますので、価値と価格が釣り合うようになっています。ある程度の幅はありますけれど。
つまりは、良い条件の部屋に住みたければ家賃は高くなるし、家賃を抑えたいのであれば条件が悪くなるのが通常です。
近年、特に家賃が高くなりがちは都心部においては必要最低限の面積で家賃を抑えた狭小住宅の需要も高まっています。

家賃が決まる条件を知る
賃貸住宅において家賃の増減に関わる条件を簡単にしておきましょう。これらを総合的に見て相場が決まります。
同じ家賃だとしたら、どれかを求めたらどれかを諦める必要が出てきます。
予算内に抑えられるように、こだわる部分と妥協できる部分を決めます。
間取り
1R・1K・1LDKなど。部屋数が多くなるに従って家賃は高くなります。部屋が多いほど、物も置けるし生活空間を使いわけが出来るので便利です。どこまで必要か価格と相談になります。
部屋の床(専有)面積
間取りが同じであっても面積が広いほど家賃が高くなります。面積の表示に使われる単位は以下。
- 1坪
- 1m²(平米)
- 1畳
同じ単位で比べるようにしてくださいね。ちなみに「1畳」は地域によって広さが違うので「1m²(平米)」で比較するのがおすすめ。
部屋の設備
宅内の設備が便利(豪華)なほど家賃も高くなります。
- バス・トイレ別
- 独立洗面台
- システムキッチン
- 浴室乾燥機
- 冷暖房設備
- 壁が防音etc
様々ありますが、やはり便利な部屋は家賃もそれなりにします。
建物の設備
アパートやマンション自体の設備です。
- エレベーター
- オートロック
- ペット可
- 駐車場付き
- 宅配ボックスetc
外から見て「いいマンションだなぁ」と思うところは家賃にも影響してきます。
築年数
新築が一番高く、古くなればなるほど価格が下がるのが通常です。
築年数だけ見ると古そうに見えても、リフォームによって非常にキレイになっている場合もありますので合わせて確認したいですね。
1981年に建築基準法の耐震基準が変わりましたので、1981年以降に建てられた鉄筋コンクリート構造の部屋が安心です。
【関連】マンションとアパートの違いは名前だけ。物件は構造の違いで選ぶ。
階数
基本的には1回が1番安く、階数が上がるにつれて1000〜3000円単位くらい家賃が高くなっていきます。
建物によりますが、1階はセキュリティ面が不安・湿気がたまりやすいなどデメリットが目立ちますので、出来れば2〜3階以上がベターです。
地域
地方より都心の方が高い。単純に土地の価格の違いですね。人気が高い程、家賃も高いです。
駅・周辺施設からの距離
駅や周辺の施設(コンビニとか)から近く便利な立地であれば家賃が上がります。特に電車通勤の人はかなり重要なポイントになりますね。
相場より安く借りられる可能性がある物件
複数の条件のバランスで家賃の相場が決められますが、条件は諦めたくないし家賃も抑えたいという人は別の条件(もちろんマイナスの)付きで家賃を抑えられるかもしれません。
- 定期借家
- 事故物件
まれに相場より低い家賃の部屋もあります。周りの物件と似たような条件なのに家賃が安いか、同じ家賃なのに部屋が広かったりですね。どうしても相場より安い部屋が借りたければ、定期借家か事故物件を探してみるといいかもしれません。
定期借家とは
期間が限定されている借家です。
貸す側としては、売却予定があったり、取り壊し予定があるなどの理由で、決められた期間だけ賃貸として貸し出すという運用をする場合があります。「2年間のみ」や「○年○月まで」という条件が提示されています。
借りる側としてのデメリットは、決められた期日で必ず引越さなければなりませんので、いくらそこが気に入っても更新して住み続けることができません。単純に借りる側にデメリットがありますので、そのままだと不人気の物件となります。
そこで入居者を集めるために、相場より家賃を下げる・礼金を無くすなどの処置がなされます。
ただ、物件数はかなり少ないので、たまたま自分の条件にピンポイントな物件が見つかればラッキーくらいに思っておくと良いと思います。部屋探しは縁でもあります。

事故物件とは
過去に事件・事故があったり、何かしら問題がある物件です。
例えば、過去にこの物件で犯罪があったという事実があれば、確実に入居者が集まりません。
そのため何とか入居者を確保するために家賃を下げるという手段が取られる場合があります。相場より2〜5割ほど安く出ている物件もあるようです。
探すキーワードは「告知事項有り」です。
事件や事故があっても、見た目ではわかりません。でも、知った場合は心理的に通常は住みたくないと感じると思います。
この場合は、貸し主が借り主に告知する義務が発生します。物件情報にそのまま過去の事件や事故の情報が乗るわけではなく「告知事項有り」と記載があり、借りる前に担当者が教えてくれるはずです。

条件付き物件は要問い合わせ
不動産情報サイトでは、定期借家も事故物件も絞り込み条件には基本的にないと思います。
無料会員登録だけすれば詳細の条件が見られるようになったり、キーワード検索などが出来るはずです。「定期借家」や「告知事項」とサイトの中で検索してみると面白いですよ。びっくりするくらいの家賃の物件が出て来ます。
興味がある人は、その物件について何があったのか聞いてみてはいかがでしょう。
一人暮らしの家賃まとめ
その部屋だけでなく、住んだ後の生活をトータルで考えて決めるとストレスの無い楽しい生活が出来ますよ。
無理してギリギリの家賃にしてしまうと、固定費のため変更がかなり難しくなります。
貯金もできないので、家賃の低い物件に引っ越すのも大変。
逆に、家賃が安めの物件に住んでいれば、その分を貯蓄に回してグレードアップをすることは容易です。