引越しについて調べていると、赤帽という言葉が出てくることがあります。しかも、他の引越し業者に比べて価格設定が安かったりするので気になりますね。
赤帽は一般的な引越し業者と違う組織ですので、安いからと言って安易に利用すると「思ってたものと違う」といったトラブルになりかねません。
赤帽とはどんな組織なのか、なぜ安いのかを理解して、用途にあった使い方をしましょう。
photo credit: Delivery truck! via photopin (license)
赤帽とは運送会社や引越し業者ではない
赤帽は運送会社ではない
正確には全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会で、通称が赤帽です。会社ではなく事業協同組合なんですね。軽自動車運送事業者の赤帽の組合員が集まった組織のことを言います。
よって、赤帽の組合員は運送会社社員ではなく、それぞれが個人事業主です。
▼以下のような位置付けです。
個人事業主 | 事業 | 組織 |
農家 | 農業 | 農業共同組合(農協) |
漁師 | 漁業 | 漁業共同組合(漁協) |
赤帽ドライバー | 貨物軽自動車運送業 | 赤帽軽自動車運送協同組合(赤帽) |
農家さんも漁師さんも会社の社員ではありませんよね。それと同じ立ち位置にあるのが赤帽のドライバーです。
赤帽は引越し業者ではない
軽自動車運送事業者とあるように、引越し専門ではありません。あくまでも軽自動車(軽トラック)を使う運送業者です。引越しではなく「荷物を運ぶ仕事」ということです。
軽トラックを使いますので、宅配業者が運べない大きなサイズの荷物を運ぶことが可能なのが赤帽です。
また、引越し業者に頼むほどでもない小規模な引越しであれば、赤帽の軽トラックでも引越しできますよという認識です。
ここを理解しないまま赤帽で引越しをして「引越し業者としての質が悪い」などの感想を持つ人が多くいますが、そもそもが引越し専門業者ではありませんよということです。
赤帽の特徴は料金が安いこと
値段だけでなく、組織上のシステムの違いもありますので、どんな特徴があってどんな使い方がいいかを知っておきましょう。
低価格なわけ
これは主に車両代と人件費の問題です。
引越し業者は2〜4tの大型トラックに作業員2名〜の体制です。荷物量によってはトラックが複数台になるかもしれません。
それに対して赤帽は軽トラック1台にドライバー1名だけなので、値段が安くなります。
料金設定
赤帽さんの料金算出は大きく3つの基準があります。
- 距離
- 時間
- 引越し運賃
他の引越し業者と比べて、トラック1台とドライバー1名は固定なので、荷物量などは基本的に影響しません。
おおよそは距離で値段が決まりますが、例えば渋滞などで時間が多くかかったりする経路であれば料金が加算されることもあります。タクシーも待機中に料金メーターが上がりますが、同じようなイメージです。あとは、ドライバーに依頼する運送以外の作業があれば距離とは別の料金となります。
▼一例
距離制(20kmまで) | 4860円 |
距離制(20〜50kmまで):1kmにつき | 216円 |
積込み作業などで30分以上かかる | 540円 |
時間制1日貸切(8時間・80kmまで) | 21060円 |
この他にも休日は2割増しになったり、地域によって加算されたりします。
引越しに関しては、単純な荷物の運送よりも様々な要素が関わってきますので一概に料金が予測できません。無料見積もりを出して確認したほうが良さそうです。
サービスの質が一定ではない
赤帽は個人事業なので、サービスの質はその人個人次第です。引越し業者のスタッフのように、会社としてサービスの質を保たれているわけでありません。言い換えると当たり外れが大きいということです。
荷物の積み下ろしは一緒に行う
基本的にドライバー1人だけですので、1人で運べないものは協力して運ぶことになります。このあたりが引越し業者と大きく違いを感じるかもしれません。依頼すればもう1人スタッフを追加する相談もできると思いますが、その分料金が加算になります。
赤帽で引越しをするメリット
どんな時に赤帽を使うメリットがあるか?ということになります。
単身だったり荷物量が少ない時に「自分で軽トラックをレンタルして引越しできるんじゃないか」と感じることがあると思います。そのくらいのケースで赤帽に依頼すれば、スタッフが1人ついて軽トラックのレンタル料+アルファの料金で引越しができるという感覚です。
本格的な引越しを行う場合には、無理やり赤帽で安く済まそうとするのはあまり得策ではありません。
軽トラックも2台使ったりすると結局料金もあまり安くなりませんし、素直に通常の引越し業者に依頼したほうが無難です。
- 宅配では運べない場合
- けど、引越し業者に依頼するほどでもない場合
- もしかしたら自分や知人の協力で引越し出来るかも?くらいの場合
このぐらいの引越しが一番赤帽を使うメリットがあると思います。
赤帽の依頼方法は?
赤帽ってどう探してどう依頼するのか。
あかぼうサーチで探す
あかぼうサーチは全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会が運営している検索サイトです。
全国の赤帽の情報を場所・条件などで絞って検索できます。
http://www.akabou.ne.jp/search/index.php
各赤帽事業者のホームページを探す
赤帽はそれぞれが個人事業(組合員)なので、赤帽の連合会でなく、それぞれの事業者がそれぞれのホームページを運営しています。
細かいサービス内容は依頼する赤帽事業者ごとに異なる可能性があります。
連合会のページよりも、個人個人のホームページの方がより詳しいサービス内容が書いてありますので、頼みたい赤帽事業者を詳しく知りたい場合は、各ホームページをみた方が良いでしょう。
「赤帽 新宿」など地域名を加えて検索すれば見つかります。
赤帽を含む一括見積もりサービスなどを利用する
引越し業者な全国に何百とあります。
その中で自分に最適な業者を選ぶのはとても労力がかかりますので、一括で見積もりが出来るサービスが存在します。
中には引越し業者だけでなく赤帽も含めて見積もりを出せるサービスもありますので、もし赤帽の見積もり条件が良ければ使うということも可能です。
赤帽を使ってみた感想
赤帽を使ってみました。
赤帽を使った理由としては、どうしても即日に運びたい荷物があったからです。
一般的な引越し業者であれば、見積もりやドライバー・トラックの手配などの手順が挟まるのでどんなに最短でも2〜3日以降の予約になってしまいます。
赤帽であれば個人事業の方(ドライバーさん)に直接話が出来るので、運が良ければ翌日に対応して貰えます。
たまたまトラックが空いていて、相手方が了承してくれた場合ですが。
この辺は、やはり会社単位でやっているところと違って、個人事業の融通が効くところです。
何とか翌日に対応してくれるところを探したところ、「遅くなりますが、◯時以降であれば大丈夫ですよ。」と言ってくれたところがあったのでお願いしました。
それからはドライバーさんと直接連絡をとって進めます。
「今、前の配送終わったのでこれから迎えますー」など電話しながら。
あとは、トラックに乗ったドライバーさんが来るので、荷物を運ぶのを手伝ってもらいます。
やはり引越し業者というよりは、トラックとドライバー兼お手伝いさんを召喚するイメージです。
配送関係のスキルはありますが、引越し専門業者ではないので、それを理解した上で利用した方が良いです。
終わったら、その場で料金支払って領収書をもらって終了です。
完全に個人間のやりとりという感じでした。
赤帽まとめ
安いものには安い理由があります。値段だけで飛びつくのはトラブルの元です。ただ、条件があえば赤帽さんに依頼することで引越し料金を安く抑えられメリットを得られます。
どちらにせよ、見積もりの結果がどうなるかによります。他の引越し業者と赤帽とどちらにも見積もりを出した上で、判断するのが良いでしょう。